妊活の基礎知識

妊活中に健康診断を受けてもいいの? 気をつけることは?

仕事をしていると、職場から毎年健康診断のお知らせがきますね。
旦那さんの扶養に入っていて、旦那さんの健康保険組合からお知らせが来る人もいるでしょう。

でも健康診断って、妊活中でも受けていいのか心配じゃありませんか?
今回は、健康診断による妊活への影響と、検査について少し詳しくお話をしていきます。

健康診断ってどんなことをするんだっけ?

健診中は流れ作業で進んでしまって、どんな検査をしているのかよくわからないですよね。職場での健康診断を例に挙げると、健康診断では主に次のようなことをしています。

・問診
・身長、体重、腹囲測定
・血圧測定
・視力、聴力検査
・血液検査
・尿検査
・心電図・胸部レントゲン

胸部レントゲンは妊活に影響がある?


一番気になるのはこのレントゲンですよね。
結論から言うと、影響はほぼないようです。

妊活中~妊娠初期を4段階に分けてそれぞれご紹介しますね。

①妊娠成立前のレントゲンの影響
「妊娠成立前のレントゲン検査によって子宮や卵巣がダメージをうけて、子供ががんや奇形になった」という結果はこれまで示されていません。
ですから、妊娠成立前にレントゲンを受けても問題ありません。

②受精後09日でのレントゲンの影響
この時期には、50msv(ミリシーベルト)以上の放射線被ばくで影響が出るとされています。
どのような影響が出るかというと、胚死亡(受精卵の死亡)、流産、未着床です。

③妊娠410週のレントゲンの影響
この時期は、100msv以上の放射線被ばくで影響が出るといわれています。
妊娠410週は器官形成期といって、赤ちゃんの中枢神経や心臓、手足など体の様々な部位が作られる時期です。
ですから、この時期に多くの放射線に被ばくすると、先天性奇形や発育不全が起こる可能性があります。

④妊娠1017週のレントゲンの影響
この時期は120msv以上の放射線被ばくで影響が出るとされています。
現れる影響としては、精神発達遅延です。

流産や奇形や、発達遅延と聞くと、やっぱり放射線って怖い!と思いますよね。

でも、1回のレントゲン検査でどれくらいの放射線を浴びるか知っていますか?
胸部レントゲン検査1回で胎児が浴びる放射線量は0.01msv以下とされています。
ですから、胸部レントゲンによる影響は非常にわずかであるといえますね。

このほか健診で行うことが多いのが胃のバリウム検査ですが、こちらは放射線量が1.15.8msv程度とされていますから、1回検査を受けたくらいではほとんど影響はなさそうです。
ただし、子宮に近い骨盤の部位の撮影や、CT検査になると、被ばく量が多くなります。

健診でこれらの部位の撮影やCTを行うことは少ないと思いますが、検査する場合には注意が必要です。
放射線の影響が気になる場合には、月経開始~排卵前の時期に検査を受けるといいですよ。

心電図の妊活への影響は?


続いて気になるのは心電図の検査ではないでしょうか。
心電図の検査は体にたくさんのコードを繫がれるので、なんだか少し怖い気持ちになりますよね。
ですが、この検査も妊活に影響はありません。

心電図はなにを検査しているかというと、心臓を流れる電気を見ています。
「え?!心臓に電気が流れているの?!」とびっくりしますよね。

実は、心臓がドクンドクンと脈打っているのは、この電気が流れているおかげなのです。
心電図検査ではこの電気信号を読み取っているだけなので、体に全く害のない検査なのですよ。

尿検査は影響ある?

尿検査も妊活には影響はありません。

ただし、月経中に尿検査を受けてしまうと経血がおしっこの中に混ざってしまうので、正しい結果が得られなくなってしまいます。
また、おりものが尿に入っても正しい結果が得られません。
尿検査を受ける場合は月経中を避け、ビデで洗浄してからおしっこをとると正しい結果を得られますよ。

その他の検査で妊活に影響があるものはありませんし、受診する時期を特別気にすることもありません。
安心して検査を受けましょう。

健康診断を受けるベストタイミングっていつ?

レントゲン検査は「月経中~排卵前」尿検査は「月経中を避けて」の時期の検査が望ましいです。
健康診断の受診日を選べる場合には「月経終了~排卵前」の時期を選ぶといいでしょう。

まとめ

①放射線による胎児への影響は全くないとは言えないが、胸部レントゲンでの被ばく量は非常にわずかなので、ほとんど心配する必要がない

②心電図検査は心臓を流れる電気信号をみているだけなので、妊活への影響はない

③尿検査は生理やおりものによる影響をうけるので、ビデを活用するとよい

④レントゲンの影響や、月経による尿検査への影響を避けるには「月経終了~排卵前」に健康診断を受けるのがベストタイミング

 

病気を抱えての妊娠はリスクを伴います。
安心して赤ちゃんを迎えるために、健康診断を受けて病気にかかっていないか定期的にチェックしましょうね。

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のびのびのんちゃん

のびのびのんちゃん

北国生まれの医療人。コウノトリを気長に待っています。夢は旦那さんと世界のディズニーランド制覇!Twitterやってます。左のアイコンからどうぞ♪