妊活の基礎知識

先の見えない不妊治療、どれほどつらいの?

現在、日本には6人に1人が不妊治療をしていると言われています。

私も結婚する前は自分が不妊症になるなんて考えもしませんでした。

結婚して、ブライダルチェックを受けてからというもの、特に大きな原因もないまま5年も不妊治療を続けています。
不妊治療にはゴールがなく、治療にかかる年数は人によって様々です。
治療には金銭的な面だけでなく、心も体も苦痛を伴います。

このつらさは、経験している人にしか分からないものですよね。
人にはなかなか話せない分、「こんなに辛いのは私だけ?」と思うこともあるかもしれません。
ですが、人に話さないだけで、あなたと同じように悩み、つらいと感じている方が他にもたくさんいらっしゃいます。

今回は、不妊治療をしている中で、私がつらいと感じたことについてお伝えしていきます。

周囲の妊娠報告や催促の言葉

なかなか妊娠できないことで落ち込んでいるのに、周りから「まだ子供作らないの?」
「早く孫が見たい」と言われたことがありませんか?
また、友達や兄弟、親戚に子供ができたと知った時、自分を責め、落ち込んだことはありませんか?

私は自分より遅くに結婚した友人が妊娠した時、妹に二人目ができたとき、義姉の妊娠を義母から聞いたときなど周りがどんどん妊娠していくたびに泣いていました。
「なんで自分には子供ができないの?」と思い、ネットで検索する日々でした。
今でも思い出すたびに悲しくなります。

また、ネットで「二人目不妊で悩んでいます」などといった記事が載っていると「贅沢な悩みだな…」と思ってしまうこともあります。
自分が不妊症だと知った時から少しずつ、普通に妊娠できる人たちへの嫉妬の感情が強くなってしまったのかもしれませんね。
そんな風に思っちゃいけないと分かっていても、その感情はなかなか抑えられないものです。

リセットをした時なんてもう、どん底ですよ。
がんばって治療を続けている中、失敗が続くとなおさらです。

痛みを伴う治療

不妊治療にはタイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精があります。

まず、病院に行くと一通りの検査を行い、不妊の原因を調べます。
不妊の原因が分かる場合はそれに対する治療を行っていきますが、医師と相談しながら、
タイミング法→人工授精→体外受精→顕微授精とステップアップしていくことがほとんどだと思います。

もちろん、治療に時間をかけたくないという場合は、タイミング法をせずに人工授精から始める方もたくさんいらっしゃいます。

 最初の検査はもちろんですが、治療を受ける中で痛みや苦痛を伴うことがたくさんあります。

たとえば排卵を誘発させるためには内服薬や注射を使うことがほとんどですが、注射には病院に通って打ってもらう方法と、自分で注射を打つ自己注射という方法があります。
病院によっては後者が増えているのではないでしょうか。

糖尿病の方がインスリンの自己注射をするのとほぼ似ていて、皮下注射なので、難しい技術は必要ないんですが、自分で自分の体に注射を打つのは、気持ち的にどうしても抵抗がありますよね。

看護師として働いていた私でも、自己注射をする時の怖さや痛みはさすがに苦痛です。
はじめての方であれば、なおさら苦痛を感じるでしょう。

体外受精や顕微授精では、体外で受精させる必要があるため、まず採卵を行います。
採卵による痛みは表現ができないくらい!

私は多嚢胞性卵巣のため、薬を使うとたくさん卵ができていました。
その都度、麻酔をして採卵を行います。

最初のころはたくさん卵を採りすぎてOHSS(卵巣過剰刺激症候群)となり、カエルのようなお腹になったことがあります。
その時は動くことも寝ることもできず、とてもつらい思いをしました。

きっと、同じような経験をされている方もたくさんいらっしゃるでしょう。

お金がかかる

高度不妊治療にかかる費用は、平均190万円以上と言われています。
治療期間は約25年が多く、治療段階によっても費用は異なってきます。

高度生殖医療である「体外受精」「顕微授精」を受けている方は、助成金を受け取ることができますが、条件によっては助成金の対象から外れてしまう場合もあります。
(助成金の対象条件については、各都道府県の地方自治体によって異なります)

本当は不妊治療を続けたくても、お金が続かなかったり、度重なる出費に不安を感じて諦めてしまう方もたくさんいらっしゃると思います。

私は現在、専業主婦ですが、不妊治療にお金がかかるため、主人の収入だけでは生活していけないと思い、仕事をしていた時もあります。
でも、通院のために早退したり、休みをもらわなければならず、周りにも迷惑をかけてしまうことが増えてしまうんですね。
理解のある職場なら相談しやすいと思いますが、実際はそんな会社ばかりではありません。周りに気を遣い、だんだん居づらくなって退職する方もたくさんいるのではないでしょうか。

まとめ

周囲の妊娠ラッシュや催促の言葉に傷つく

金銭面だけでなく、精神的、肉体的にも苦痛を感じる

治療のためにお金は必要だけど、仕事との両立は難しい

不妊治療で悩んでいる人はたくさんいます。

先が見えない治療だからこそ、無理なく自分に合った治療方法を見つけていってもいいと思います。

私も主人とたくさん話し合い、「何歳まで続けるのか、胚移植は何回までにするのか」ということを決めました。
でも、簡単に諦めることはできないと思います。
だから無理のないように不妊治療に取り組むことを心がけています。

金銭的にも、精神的にもいろいろ負担がある不妊治療ですが、夫婦で協力し合いながら、前向きな気持ちで赤ちゃんを迎えられるようにしていきたいですね。

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あーたん

あーたん

子供の服を作るのが夢。夫婦仲良く妊活中です。