妊活の基礎知識

妊活中に薬を飲んでも大丈夫? 薬を飲んだ方がいい場合もあるってホント?

妊娠すると薬を飲んではいけないといわれますが、妊活中も飲まない方がいいのかな?と不安になりませんか?
風邪だと思って薬を服用した後で妊娠が分かったら、赤ちゃんが生まれるまで心配でたまらなくなりますよね。
また、薬によって生理周期が乱れるなどの影響がないか気になりますね。
今回は妊活と薬の付き合い方についてご紹介します。

薬は妊活にどんな影響があるの?

「妊娠したら薬を飲んではいけない」とよく言われていますね。
ということは、妊娠が成立する前だったら薬を飲んでも大丈夫だと思っていませんか?

でも実は、「排卵時期に解熱鎮痛剤を服用することで、排卵が抑制される」という研究論文があるんです。

排卵しなければ妊娠は成立しませんから、妊活には致命的ですよね。

さらに、排卵しなかった卵は黄体化未破裂卵胞(LUF)となって、卵巣の中に居座ります。
この黄体化未破裂卵胞(LUF)は、次の周期にも居座って、次に育つ予定だった卵の発育を妨げてしまうのです。
その結果、妊活が2周期ストップしてしまいます。
ですから、妊娠成立前であっても薬の服用は避けておいた方が安心です。

妊娠初期に薬を服用することで赤ちゃんに影響はあるの?


妊娠超初期(妊娠3週目まで)の時期は、卵巣の中で卵子が育って排卵・受精し、細胞分裂を繰り返して子宮に着床する時期です。

この時期に飲んだ薬が赤ちゃんに影響した場合、完全に修復されるか、流産するかのいずれかになるといわれています。
完全に修復されればいいのですが、流産という悲しい結果を引き起こしてしまうのは避けたいですよね。

妊娠初期(妊娠4週目以降)からは、赤ちゃんの器官の形成が始まりますので、薬の影響で奇形や発達遅延などの影響が出る場合があります。

妊活中でも薬を飲んだ方がいい場合もある?


ここまでの記事を読んだあなたは、「つまり薬は飲んではいけないんだな」と思ったことでしょう。
しかし、場合によっては薬を服用した方がいい場合もあります。

それは「飲まなければ命にかかわる」とか、「持病が悪化してしまう」など、薬を飲まないことによるリスクが非常に大きい場合です。

「薬を飲むことによるリスク」はもちろんありますが、場合によっては「飲まないことによるリスク」もあります。

薬を飲むことによるメリット・デメリットを検討したうえで、健康状態を保つために必要であると判断される場合は、薬を服用した方がよいということになるのです。

薬を飲む、飲まないの判断はどうしたらいい?

メリット、デメリットと言われても、私たちは専門家ではないので判断が難しいですよね。
ですから、薬を服用したい時には医療機関を受診し、妊活中であることを伝えたうえで薬を処方してもらった方がよいでしょう。

私も妊活中に耳鼻科を受診したことがありますが、妊活中だと伝えると、「じゃあ妊婦さんが飲んでも影響のない薬を出しますからね」と言われて、いつもと違う薬が処方されたことがありました。

医師は薬に関する深い知識を持っているので、医師の判断に任せるのが安心です。
また、持病がある場合には妊活を始める前に必ず医師に相談しましょう。
決して自己判断で薬を止めてはいけませんよ!

また、時間がなくて医療機関が受診出来ず、どうしても薬に頼りたい場合には、ドラッグストアで薬剤師さんに相談してみましょう。
薬剤師さんは薬のプロですから、最適な薬を選んでもらえますよ。

まとめ

①妊活中の薬の服用によって排卵が妨げられ、黄体化未破裂卵胞(LUF)が出来る可能性がある。

②黄体化未破裂卵胞(LUF)は排卵しなかっただけでなく、次の周期の卵の発育にも悪影響を及ぼす。

③妊娠3週までの薬の影響は、完全に修復されるか、流産に至るかのいずれかである。

④妊娠4週からは器官の形成が始まるので、奇形や発育遅延などの影響が出る場合がある。

⑤薬の服用はメリット・デメリットを検討したうえで、医療機関を受診して適切な薬を処方してもらうとよい。

何にせよ自己判断が一番良くありません。
一人で悩まず、医師や薬剤師に気軽に相談しましょうね。

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のびのびのんちゃん

のびのびのんちゃん

北国生まれの医療人。コウノトリを気長に待っています。夢は旦那さんと世界のディズニーランド制覇!Twitterやってます。左のアイコンからどうぞ♪