妊活中に予防接種は受けていいの? 打たなかった場合の悪影響とは?

寒い時期になると、インフルエンザの流行が心配になりますね。
また、ニュースでは風疹の話題がよく取り上げられています。

これらの病気の予防にはワクチンが有効ですが、ワクチンを接種してもいいのか心配になりませんか？
実はワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があり、妊活中は接種可能時期が異なります。

今回はワクチンの種類と接種時期、そしてワクチンを接種せずに風疹やインフルエンザに感染した場合の症状についてご紹介します。

Contents

生ワクチンとはどのような特徴があるの？
不活化ワクチンとはどのような特徴があるの？
妊娠中風疹に感染すると、赤ちゃんに重大な悪影響が！
インフルエンザのワクチンを打つのに最適な時期とは？
まとめ

生ワクチンとはどのような特徴があるの？

生ワクチンとは、病原体となる細菌やウイルスを弱めたものが含まれるワクチンです。
ワクチンの中で病原体は生存しており、ワクチン接種後、一時的に病原体は体内で増殖します。

つまり病原体に軽く感染した状態を作り出すということです。

体内で増殖した病原体と戦うために体の中では抗体が作られ、その結果免疫が出来ます。
生ワクチンは一度接種すると免疫を長く維持することが出来ます。
しかし病原体に感染した状態になってしまうので、病原体が胎盤を通じて赤ちゃんへ移行する可能性があります。
そのため赤ちゃんが感染しないために、接種後2か月程度避妊する必要があります。

生ワクチンには風疹、水痘(水ぼうそう)、麻疹(はしか)などがあります。

不活化ワクチンとはどのような特徴があるの？

不活化ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の感染能力を失わせたものを原料にしています。

病原体が体内で増殖しないので、病原体が赤ちゃんへ移行することはありません。
ですから、妊活中や妊娠中でも接種が可能です。
しかし、作り出される免疫は少なく、複数回の接種が必要になります。

不活化ワクチンにはインフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌などがあります。

妊娠中風疹に感染すると、赤ちゃんに重大な悪影響が！

なぜ風疹がニュース等で話題になるのか知っていますか?

それは妊娠中にお母さんが風疹に感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気になることがあるからです。
この病気では、赤ちゃんに次のような障害が起こる可能性があります。

・発育遅延
・小頭症(脳の発育が悪く、知的障害や脳性まひなどを起こす)
・白内障や網膜症
・難聴
・心疾患(心不全など)

先天性風疹症候群になると、生まれた子はこれらの症状と一生付き合っていかなければなりません。
そのような事態を避けるために、ワクチンの接種が呼びかけられているのです。

風疹のワクチン接種後は2か月間の避妊が必要なので、妊活期間が長引くのは確かにネックですよね。
ですが、生まれてくる子供のためにも風疹のワクチンはぜひ接種しておきましょう。

ワクチン接種費用も気になりますが、抗体を持っているかを調べる抗体価検査やワクチン接種は、自治体による助成があり、無料で受けられる場合もあります。

インフルエンザのワクチンを打つのに最適な時期とは？

インフルエンザは妊婦さんが感染すると重症化しやすい感染症です。
場合によっては流早産や胎児死亡、低体重出生児で生まれることもあります。

米国疾病予防局、米国産婦人科学会では、インフルエンザの流行期間に妊娠予定の女性へのワクチンの接種を推奨しています。
日本でも、妊婦さんへのワクチンの接種が呼びかけられている産院もあります。
妊婦さんが接種して大丈夫なワクチンなので、妊活中でも接種して問題ありません。

インフルエンザのワクチンは、免疫が出来るまで接種後2～3週間かかります。
免疫が出来てしまえば、3～4か月効果が持続します。
ですから、10～11月頃に接種するのが理想です。
この時期が過ぎてしまった場合でも、なるべく早く接種することをお勧めします。

インフルエンザワクチンには「メチル水銀」という防腐剤が含まれているものがあります。水銀と言えば、妊婦さんが避けなければならないものの1つですよね。
水銀が入っているとなるとワクチンの接種も不安になりますが、ワクチンに含まれる水銀は0.004～0.008mg/mlという非常に少ない量なので、心配しなくて大丈夫です。
どうしても不安であれば防腐剤フリーのワクチンがないか医師に確認してみましょう。