卵子のお話

卵子の老化は生まれたときから始まっている?!

近年、卵子の老化について一般的に知られるようになりましたね。

しかし、

・卵子の老化がいつから始まるのか

・卵子が老化するとどうなるのか

について、詳しく知らないという方は多いのではないでしょうか。

今回はこれらについてのご紹介と、さらに卵子の老化への対策法についてご紹介します。

卵子の老化はいつから始まるの?


卵子の老化のお話の前に、卵子の作られ方についてお話しします。

卵子のもとになる細胞のことを「原始卵胞(げんしらんぽう)」と言います。
「原始卵胞(げんしらんぽう)」は、生まれた時から数が決まっていて、成長とともに減少していきます。
それは、精子とは違って、新たに作られることはありません。

原子卵胞は、女性がお母さんのお腹の中にいるときに作られます。
お母さんが妊娠5か月だったころ、私たちが持っていた原始卵胞はなんと700万個!

しかし、この時をピークに原始卵胞の数は急激に減っていきます。

生まれたときには既に200万個まで減少し、思春期には2030万個となってしまいます。
そして月経のたびに1000個ずつ減っていくと言われています。


私たちの肌はターンオーバーと言って、1か月もすると新しい細胞にどんどん生まれ変わりますよね。

しかし残念なことに、原始卵胞は赤ちゃんの時に作られた後、新しい細胞に生まれ変わることも増えることもありません

ですから「あなたの年齢=卵子の年齢」なのです。

「卵子の老化はいつから始まるの?」と聞かれれば、「生まれたときからすでに始まっています」というのが答えになります。

では、卵子が老化するとどうなるのでしょうか?

卵子が老化すると、主に以下の2つのことが起こります。

①染色体異常を持った卵子が増える

受精卵は卵子と精子それぞれから染色体をもらいます。

人間の染色体は46本あるのですが、たとえば卵子から46本、精子から46本の染色体をもらうと、受精卵は92本の染色体をもつことになってしまいます。

これでは、人間ではない別な生き物が生まれてしまいます。

ですから、卵子と精子は成熟したときにそれぞれ23本ずつの染色体をもつようにプログラムされているのです。
そうすれば、受精したときに46本の染色体になるからなんですね。

卵子は染色体の数を半分ずつに分裂させていき、排卵の直前に2本1対で23対となります。しかし、卵子が老化していると、この染色体を均等に分けることが上手に出来なくなります。

その結果、たとえば22本と24本に分かれてしまったりなど、分裂に失敗するケースが出てきてしまうのです。

これが、染色体異常の卵子です。

これらの卵子が精子と出会うと、染色体の数が45本や47本の受精卵が出来てしまいます。
このような場合、受精卵が育たなかったり、着床しない、流産してしまう、などが起こります。
また、受精卵が成長したとしても、ダウン症などのリスクが出てきてしまいます。

②卵子としての機能を失ってしまう

私たちは老化すると、体力が衰えますよね。

小学生の時は毎日走り回っても平気だったのに、大人になると走ること自体つらくなります。
卵子も同様に、老化すると能力が衰えてしまいます。

その結果、精子と出会っても受精できなかったり、受精出来ても胚になれなかったりということが起こるのです。

卵子の老化を防ぐにはどうしたらいいの?


ここまでの記事を読んで、「卵子の老化をなんとか食い止めたい!」と思ったのではないでしょうか。

卵子の老化を食い止める方法は生活改善と、医学の力を借りる方法の2種類があります。

①規則正しい生活をする

体の老化を防ぐために、規則正しい生活は必要ですよね。
生活習慣の改善は体の老化を防ぐと同時に、卵子の老化を防ぐことにも繫がります。

日々の生活の中で、次のことを意識してみましょう。

・食事は3食バランスよく食べる

・早寝早起きを心がける

・適度な運動

・ストレスのケア


生活習慣の改善についてはこちらの記事に詳しく書いていますので、ぜひ見てみてくださいね。

妊活と睡眠の関係とは? 睡眠が卵の成長に影響を与える意外な事実!昨年「睡眠負債」という言葉が流行語ベストテンに入りましたね。 最近何かと話題の睡眠ですが、妊活にも大きな影響を与えることを知っています...

最近では、卵子の老化を防ぐ方法として、ミトコンドリアの活性化も注目されていますね。
ミトコンドリアの活性化についての詳しい記事はこちら↓

https://ninkatsu-info.com/supplement/

 

②卵子を若いうちに凍結保存する

医学の力を借りる方法として、体外受精のときの採卵と同様に卵子を取り出し、凍結保存しておくという方法があります。

ただ、費用が高額なことや倫理的な問題もあり、まだ一般的にはなっていません。
また、歴史が浅い技術なので凍結による影響があるのかどうかなど、わからない部分も多い技術です。

凍結保存を実施している施設がありますので、気になる方はまず、実施施設に問い合わせてみましょう。

いずれにせよ、メリットやデメリットをよく考えてから決めましょうね。 

まとめ

①卵子の老化は生まれたときから始まっている。

②卵子が老化すると、染色体異常の卵子が増えたり、機能を失った卵子が多くなってしまう。

③卵子の老化を防ぐには、規則正しい生活を心がける。凍結保存するのも1つの方法。


卵子の老化については最近になって広く知られるようになりました。
卵子の老化を少しでも遅らせるために、ストレスを感じない程度に日々の生活を見直しましょう。

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のびのびのんちゃん

のびのびのんちゃん

北国生まれの医療人。コウノトリを気長に待っています。夢は旦那さんと世界のディズニーランド制覇!Twitterやってます。左のアイコンからどうぞ♪