鉄は、私たちの体のなかで酸素を運ぶ「ヘモグロビン」として主に存在しています。
鉄が不足すると、卵巣や子宮に悪影響を与え、子宮内膜が薄くなったり、排卵障害になったりします。
今回は、こちらについてご紹介します。
・鉄の体の中での働き
・女性が鉄不足になりやすいのはなぜか
・鉄不足による妊活への影響
・鉄を効率よく摂りいれるには
鉄とは?
私たちの体の中の鉄は、主に血液の成分の「ヘモグロビン」として存在しています。
「ヘモグロビン」は赤血球の中にある成分で、酸素を運ぶ役割をしてくれます。
鉄が足りなくなるとヘモグロビンを作ることができなくなるため、貧血になってしまいます。
その結果、全身が酸欠状態になってしまうのです。
貧血になると、次のような症状が現れます。
・だるく、疲れやすい
・動機や息切れ
・頭痛
・立ちくらみ
食べ物の中の鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。
ヘム鉄はタンパク質に囲まれた構造をしていて、私たちの体により吸収されやすいものです。
一方非ヘム鉄はヘム鉄以外の鉄のことです。
女性は鉄が不足しやすい
もともと私たち女性は、体質的に男性に比べてヘモグロビンが少ないのです。
さらに女性は月経で血液が失われるため、貧血になりやすくなっています。
ですから、意識して鉄分を摂り入れる必要があります。
私は、臨床検査技師という仕事をしています。
患者さんの血液の検査をしていると、非常に貧血が進行している患者さんに遭遇することがあります。
普通なら酸欠状態になって立っていることも難しいような状態なのですが、患者さんは日常生活を普通に送っているとのことでした。
実は貧血が長期間続くと、体はその状態に慣れてしまいます。
そのため、知らず知らずに貧血が悪化してしまうということがあるのです。
鉄不足による妊活への影響とは?
先程も紹介したように、鉄不足になると貧血になり、酸欠状態になります。
酸欠状態になると体の代謝が悪くなるので、女性ホルモンの合成・分泌がうまく行えなくなります。
その結果、卵子の質が低下したり子宮内膜が薄くなったりするなどの影響が考えられます。
アメリカで、看護師を対象に「平均鉄摂取量と排卵障害リスク」に調べた論文が発表されています。
それによると、総鉄摂取量に比例して排卵障害の相対リスクが低下するとされています。
つまり、鉄分をとっていた人では排卵障害が起こりにくかったということです。
さらに意外なことに、非ヘム鉄を多くとっていた人はより排卵障害のリスクが減少していました。
一方ヘム鉄を多くとることによって排卵障害のリスクの低下は見られませんでした。
最初に「ヘム鉄の方が、体への吸収が良い」とご紹介しました。
栄養学の分野では、この知識は広く知られています。
しかしこの研究では、排卵障害のリスク低下という点では、非ヘム鉄の方が効果があるという結果が出ています。
ですから、鉄分の種類にこだわらず、ヘム鉄も非ヘム鉄もどちらも摂るのがいいですね。
参考元:https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/blog/infertility/3018/
妊活にもいい鉄を効率よく取り入れたい!
ヘム鉄は動物性食品に多く含まれています。
ですから、肉や魚を積極的に食べると、ヘム鉄も多く摂ることができます。
鉄と言えばレバーですが、もちろんレバーにも多くの鉄分が含まれていますよ。
一方、非ヘム鉄は野菜に多く含まれています。
ほうれん草やひじきに多く含まれていますので、おひたしやサラダで食べるとヘルシーに食べることが出来ます。
さらに鉄は、ビタミンCと一緒にとるとより吸収が良くなります。
ビタミンCはレモンをはじめとした果物や、ジャガイモに多く含まれます。
食事の時にこれらも一緒に食べるようにしましょう。
お肉料理にレモン汁をかけると美味しいうえに鉄分もとれますね。
ただし、ビタミンCは水に溶けやすいという性質を持っています。
ジャガイモは調理の時に水にさらすことも多いと思いますが、これではせっかくのビタミンCが流れ出てしまいます。
ですから、なるべく水には触れさせないようにしましょう。
まとめ
①鉄が足りなくなると、貧血になる。
②女性は元々ヘモグロビンが少ない上に月経で血液が失われるため、貧血になりやすい。
③貧血になると、女性ホルモンの合成や分泌がうまくいかなくなり、卵子の質が低下したり子宮内膜が薄くなったりする。
④鉄摂取量が多いと、排卵障害のリスクは減少する。特に非ヘム鉄をとるとよい。
⑤ヘム鉄は動物性食品、非ヘム鉄は野菜に多く含まれる。鉄と一緒にビタミンCも一緒に摂るとより吸収が良くなる。
鉄と排卵に関係があるとは意外でしたね!
妊活に関係なく、私たち女性はもともと貧血になりやすい傾向にあります。
鉄はもちろん、ビタミンCも一緒に食べるようにしましょうね。
のびのびのんちゃん
最新記事 by のびのびのんちゃん (全て見る)
- 妊活にもタンパク質は大切? 大豆イソフラボンは女性ホルモンの役割も! - 2019年1月13日
- 妊活夫婦の休日の過ごし方ってどんな感じ? ストレスをためない工夫とは? - 2019年1月13日
- 産み分けには排卵日が重要? 赤ちゃんの産み分けって本当に出来るの? - 2019年1月3日